2025-04-01から1ヶ月間の記事一覧
家の前の空き地――といっても、畳2枚分くらいの小さなスペースなんだけど――そこを貸してもらえることになって、トマトと茄子を植えてみた。これまでは毎年、家の垣根にゴーヤを育ててたくらいなんだけど、せっかくだし少し広げてみようかなと。 ただ、家庭菜…
アニマル村では、見晴らし台を建てる計画が持ち上がった。 設計を任されたのは、勤勉なリスの設計士ルリだった。 ルリは、安全第一を信条とし、時間をかけて強固な設計図を描いた。これなら100年はもつだろう。 ところが、建設を請け負ったタヌキ建設のボス…
感動というのは、本来、内緒話みたいなものだ。 心の中でひっそり芽生えて、誰にも見せずにそっとしまっておくのが、たぶん正しい。 ところが世の中には、「感動共有圧力」という謎の風習がある。 たとえば、どこまでも続く大平原を見渡して、ひとりで勝手に…
舞台に上がるまで、あれほど練習してきたことが、信じられないくらい遠く感じた。 ギターを持つ手も、座る姿勢も、どこか他人事だった。 それでも、音は出た。 とぎれとぎれに、びくびくしながら、それでも弦は震え、空気に音を渡した。 バッハのBWV998──あ…
宇宙開発企業「クロノス社」が、ついに「時間感覚調整装置(TAS)」の一般販売を開始した。これは、個人の生体リズムを場所や時差に関係なく自在に調整できるという画期的な装置だった。出張族や宇宙飛行士には救世主のような発明だ。 最初に購入したのは、4…
きついメール。書いてるうちに、心拍数が上がってくるあれである。 指先が火を噴くような怒りで、キーボードが一種の打楽器に変わる。こうなるともう、相手に読ませるという目的は、すっかり背景に消えて、「俺の正しさ」を証明するための祝砲になっている。…
アニマル村には、年中無休で村のみんなの相談に乗ってくれる「相談屋タヌキ」がいた。彼はかつて村役場で働いていた経験があり、山のことから川のこと、商売のことから恋愛のことまで、幅広い知識と経験を持っていた。 ある日、リスのリッキーが相談にやって…
昔々、アニマル村には「スゴ腕ものづくり工場」がありました。最新型のロボットを製造するこの工場は、村一番の技術を誇っていたのですが、ある日、大きなトラブルが起こります。 原因は、タヌキ課長の「丸投げ」でした。 タヌキ課長は、とても忙しいふりを…
アニマル村には、さまざまな動物が暮らしていた。 タヌキのパン屋、フクロウの校長、ウサギの保育士、イノシシの消防団。みんなが、それぞれの持ち場で忙しく働きながら、なんとなく平和に暮らしていた。 けれども、この村には、ちょっとした癖があった。 そ…
プロジェクトの話である。 いや、正確に言えば、「大きなプロジェクトも、小さなプロジェクトのスケールアップに過ぎない」という、耳ざわりのいい幻想についての話だ。 この言い回しは、妙に説得力がある。 なぜなら、日常生活でも「数が増えれば準備も段取…
場所は未来の仮想空間、時間も空間も越えた「思想会談ホール」。そこでは歴史上の偉人たちが、AIによって再構築された人格として自由に議論を交わしていた。 ある日、そのホールに二人の男が呼ばれた。空海――密教の巨匠にして言語の達人。そして、アルフレッ…
格というのは、もともとあいまいなものだ。学歴、肩書き、年収、身長、SNSのフォロワー数。格を決める要素は世に溢れているが、たいていは比較の中でしか成立しない。つまり「自分より上」か「下」か。その比較のレンズを外せば、格なんてものはどこにもない…
今週も、まあ、いろいろありました。 朝の電車は今日も満員で、 リュックを前に抱えてスマホをいじる人が、 目の前の人の存在なんて気にせず、じっと画面に沈んでる。 ぶつかっても知らん顔。 誰かの時間に無遠慮に踏み込んで、それでも自分は「ちゃんとして…
四月の通勤電車は、混む。とにかく混む。 新入社員、進学した学生、転勤族――とにかく「初めての人たち」が一斉にホームに並ぶからだ。 そして彼らは、電車という場の作法を知らない。 リュックは背負ったまま、扉の前からどかず、乗り換え案内を調べながら固…
「遅れないプロジェクトなんて存在しない」と言ったのは、有名な誰かではなく、私である。名言というより、事実である。もっと言えば、あらゆる計画とは、そもそも遅れるために作られる。あたかも締切が存在するのは、それを破るためであるかのように。 では…
プロジェクトにおいて、「変更」という言葉ほど便利なものはない。 たとえば、会議の席上で「設計の初期段階における根本的な思想の再確認を前提に、一部仕様を変更したいと思います」などと口にすれば、よほどの短気な上司でない限り、「ふむ、それは必要か…
プロジェクトの発注における「追加」は、だいたいが悪い知らせです。 スケジュールが遅れ、コストが膨らみ、担当者が目を泳がせる——おまけに関係者の誰もが「俺は最初から言ってたよね?」と責任回避のジャンケンを始める。 誰かが忘れていた仕様。 誰かが知…
会議。A案とB案がぶつかり合って、どっちにするかって話になる。そこで声の大きい人が出てくる。音量で勝負をかけてくる。内容じゃなくて、熱量で押してくる。で、大体その人の案に決まってしまう。もちろん本人は「情熱の勝利」だと思ってる。でも、たぶん…
わたしはこれまで、いろんな「ノー」を見てきた。 「それはちょっと……」「会社としては前向きに検討します」「現状では難しいですが」などなど、言い方を変えたノーたちが、あたかもイエスの親戚のような顔をして職場や会議室をうろついていた。 でも、あれ…
「腹を立てる男も悪いが腹を立てさせる女はその数十倍悪い。」 こんな命題が、まあ世の中には転がっている。で、その続きが、「そして君は謝らない。」 これはなかなか興味深い。 よく考えてみれば、世の中の揉め事というものは、たいてい「どっちが悪いか」…
仕事をしていると、「だから言ったろ」と言いたくなる場面が本当に多い。しかし、実際には口にしない。なぜなら、それを言ったところで空気が悪くなるだけで、結局は何も変わらないからだ。 そもそも、物事がうまくいかない背景には、考えが甘すぎるか、方向…
井戸の大プロジェクトが失敗し、仲間たちは疲れ果てた。カエルもさすがに落ち込んで、しばらくは静かにしていた。しかし、ある夜、星空を見上げながらつぶやいた。 「どうしても、外の世界が見たいんだよなあ…」 その声を聞きつけたのは、あのフクロウだった…
「やらなかったことを後悔する」というのは、仕事でもよくある話。後から「あの時こうしておけば…」と悔やむくらいなら、ちょっと勇気を出して動いた方が得です。そこで、職場で特に意識したい3つのポイントを紹介します。 1. 不当評価は逆評価で返す 上司か…
仕事を楽しくしなければならないという命題は、実に重要である。会社に行くのが楽しみで、ワクワクしながら働ける環境こそが理想だ。残業や休日勤務も苦にならず、まるで趣味のように仕事が好きになれれば、生産性もモチベーションも自然と向上する。しかし…
大阪万博に限った話ではないが、各種補助金で運営されるイベントや研究開発プロジェクトというのは、最終的に当初の目標を達成できず、明らかに失敗に終わっても、誰も倒産しないし、責任を取ることもない。結局、税金の無駄遣いで幕を閉じる。これって、要…
あるところに、一匹のカエルがいた。井戸の底で暮らしていたが、ある日、ふと「もっと広い世界を見てみたい」と思い立った。井戸の中ではそれなりに快適だったが、どうやら世間では「挑戦する者こそが偉い」という噂を耳にしたのだ。 「よし、オレも飛び出そ…
ある広々とした牧場に、たくさんの羊たちが仲良く暮らしていました。羊たちはとても平和主義で、争いごとを嫌い、なるべく波風を立てないように心がけていました。 ある日、牧場主がやってきて言いました。 「もっと美味しい草を育てたいんだが、どうすれば…
最近の会社というのは、どうにも「対立を避ける」ことに命を懸けているように見える。いや、もちろんわかりますよ。無駄な衝突は避けたいし、空気が悪くなるのも困る。でも、会議で全員がうなずくだけの光景を見ていると、なんとも言えない居心地の悪さが漂…
日本の生産性が低い――。これ、何十年も言われ続けている。働き方改革だのDXだの、いろんな対策を講じてきたけど、なぜか改善しない。理由は簡単だ。日本の職場そのものが「生産性低下装置」と化しているからだ。つまり、職場に通うたびに、その装置に巻き込…
AIがどうだ、DXがこうだと、世の中はデジタル礼賛一色だ。PCの前でカチャカチャやりながら「効率が命です」みたいな顔をしている人を見ると、本当にそれでいいのかと首をかしげたくなる。 たしかに便利だ。資料はクラウドで共有、打ち合わせはTeamsやZoom。…