エンジニアのセンスとスピード感を磨く方法

大切なのはセンスとスピード感、若手エンジニアに役立つチップス

2025-12-01から1ヶ月間の記事一覧

対応力は“引き出し”で決まる

プラントのエンジニアとして仕事をしていると、年々実感するのが、「技術力」そのものよりも、「引き出しの多さ」が問われる場面の多さです。 ここで言う“引き出し”とは、ただ知識を持っているというだけではありません。これまでの経験や学びを、必要なとき…

AIは優秀な若手だが、責任者ではない

AIをどう使うか、という話になると、すぐに「プロンプトが大事だ」「聞き方が九割だ」みたいな話になる。半分は正しい。でも残り半分は、かなり危ない。エンジニアリングの現場でそれを真に受けると、装置より先にプロジェクトが壊れる。 エンジニアがAIをう…

「頼りがないのは良い知らせか」

「頼りがないのは良い知らせ」なんて言葉がある。確かに、遠くの親戚や一人暮らしの子供の話なら、それで済む場合もある。音沙汰がないということは、逆に言えば、緊急事態も起きてないってことだと。そういうことにしておけば、とりあえず夜は眠れる。 とこ…

短篇SF:マイクロマネージメント協会 発足

「マイクロマネージメント禁止法案」の続編。 マイクロマネージメント禁止法案の施行から5年後。 社会は静かになりすぎていた。 責任を避ける社員、自主性の名の下に指針を求めず迷走するプロジェクト、指導が「干渉」と見なされる職場。 もはや誰も、誰かを…

短篇SF:マイクロマネージメント禁止法案

未来のある日、「マイクロマネージメント禁止法案」が可決された。 背景には深刻な社会問題があった。 上司たちは部下のすべてを逐一監視した。 休憩時間に何を食べたか、メールの句読点が正しいか、トイレに何分いたか。すべて報告対象。 自分の理解できな…

「言われたからやっただけです。」

言い方の、続きです。 誰しも、ちょっとした不本意な作業に手をつけるときには、心のどこかで「俺の仕事じゃねえよなぁ」とつぶやいている。問題は、それを口に出すかどうかだ。 「言われたからやっただけです」というのは、口に出した瞬間、相手の信頼を50…

ゴミュニケーション

言ったはずなのに伝わってない。 聞いた気がするけど、わかってない。 会話ってやつは、日々の暮らしの中で、思った以上に“すれ違う”。 それも、丁寧に、静かに、でも確実に。 「コミュニケーション能力が大事」と、口を揃えて言う世の中だけど、その“能力”…

無理なプロジェクトは、なぜ始まってしまったのか

無理シリーズの総括をしておきながら、また続きです。 はじめに 無理なプロジェクトが失敗すると、人は決まってこう総括する。 判断が甘かった。 経営が未熟だった。 技術を過信した。 だが、それはすべて事後の言葉だ。 始める瞬間、当事者の頭の中にあった…

コストとスケジュール、どちらを優先すべきか

無理なプロジェクトでの現実的な答え 結論から言う 原則はこうだ。 「止まったら死ぬもの」を優先する。 これだけ。 思想でも精神論でもない。生存戦略です。 第1章 なぜこの議論は永遠に揉めるのか コスト派とスケジュール派は、見ているリスクが違う。 コ…

無理なプロジェクトのチェックリスト

引き受ける前に「無理の正体」を可視化する 使い方(重要) ✔ が付いた項目は「無理要素あり」✔ が 5個超 → かなり危険✔ が 10個超 → ほぼ事故✔ が 15個超 → 英雄譚か墓標のどちらか 感情は禁止。事実だけで答えること。 ① 目的・ゴール定義チェック ここが…

無理なプロジェクトは、なぜ失敗するのか

「無理なプロジェクト論」の総括です。 はじめに 「無理なプロジェクト」という言葉は、 現場ではほとんど悪口として使われる。 予算が無いスケジュールが無茶人が足りない だが、ここまで見てきた世界と日本のディープテック破綻例を並べると、一つの事実が…

技術は正しかった。それでも会社は死んだ

世界と日本、ディープテック企業に共通する「失敗の本質」を調べた。 ディープテック企業の失敗は、外から見ると分かりにくい。なぜなら、多くの場合「技術的には何かを成し遂げている」からだ。 まず、その会社が「何を作ろうとしていたのか」を簡潔に確認…

「無理なプロジェクト─予算とスケジュールはこう立てる」

無理シリーズ、続き。 無理なプロジェクトは、たいてい立てた時点で破綻している。 「この予算でこのスコープは無理」「このスケジュールでここまでできるわけがない」。 現場の誰もがそう思っているのに、計画はなぜか通ってしまう。 そして、後から地獄の…

「無理なプロジェクトの進め方」

プラントの建設。 それは一見、綿密な計画と精密な管理によって成り立っているように見える。 しかし、実際の現場に足を踏み入れればわかる。計画どおりに進むプロジェクトなど、ほとんど存在しない。 ましてや、予算が想定よりも大幅に削られ、工期も短縮さ…

「無理を“完了”させるための心構えと勇気とちょっとした奇策」

前回の続き。 無理な仕事。予算はない、時間もない、人も足りない、やる気もいまいち出ない。 そんなとき、ただ歯を食いしばるだけでは潰れてしまう。 だからこそ、心構えと、少しの勇気と、場合によっては“奇策”が必要になる。 以下に、そのための五つの考…

「無理と知りつつ進むとき」

どう考えても成功の見込みがない。それでも命じられた以上、やらざるを得ない。そんな場面に立たされたとき、私たちは何を考え、どう動くべきなのか。 参考になるのが、かの名著『失敗の本質』である。大東亜戦争における日本軍の敗因を分析したこの書は、古…

「やってる感」は、だいたいバレている

続けるほどに印象だけが悪くなる 仕事をしている“雰囲気”だけを醸し出す。 いわゆる「やってる感」戦略は、一定のところまでは機能する。報告書にそれっぽい言葉を並べ、「適宜対応」「調整中」「関係各所と認識すり合わせ」など、意味の薄いフレーズを添え…

メールの中でだけ動いているプロジェクトたち

続編です。 進捗ゼロをオブラートで包む言葉の技術。 ビジネスの現場では、プロジェクトがメールの中では順調に進んでいることがよくある。 「現在進めております」「方針としては〜」「〜を予定しています」……文章の上では、どこもかしこも動いている。しか…

「ご承知おきください」とは誰のための言葉か

ビジネスメールというのは、言葉を使ってコミュニケーションする手段であるはずなのに、なぜこうも「伝える意志」のない文章が横行しているのか。最近とみに気になっているのが、「ご承知おきください」というフレーズの扱いだ。 一見丁寧。中立。争いを避け…

F1 The Movie 感想

www.youtube.com 映画館で見逃していたF1映画を、AppleTVでようやく観た。主演はブラッド・ピット。齢還暦を越えてなお、ヘルメットを被ってサーキットを走る男に扮している。ふつうに考えたら無茶な設定なんだけど、なんというか、あの人は年齢をごまかすん…

「バランス」という幻想 

並び替えるだけで見えてくる現実の重み 「ワークライフバランス」という言葉が、あらゆる職場に貼り付けられて久しい。 採用パンフレットでは当たり前のように「当社はワークライフバランス重視」と謳われ、官公庁の広報でも「職員のワークライフバランス推…

技術議論・社内レビュー・ベンダー調整で “本当に使える英語版”

昨日の続き。英語版。 単なる丁寧語ではなく、対立を抑え、建設的に合意形成へ進むための英語。 ◆ 1. まず “受け止める表現” “I understand your point.” “I see the logic behind your suggestion.” “That’s an important perspective.” “Thanks for pointi…

エンジニアリングの議論で“本当に使える” 受容性のある日本語の言い回し

机上の空論ではなく、工学の議論で役立つ実戦用の日本語言い回しです。 議論すると揉めがちの人は参考にして見てください。 1. 「受容性」を示す基本姿勢を言葉にする (相手を否定せず、まず受け止める) ★ 強い 「ご指摘の趣旨は理解しています。」 「その…

Progress Never Free 対価なしに進歩無し

ディープテックの現場では、毎日なにかが壊れる。 測定器の誤差、原因不明の振動、想定外の破損、漏洩、、 成功の手前には、決まって“意味不明なトラブル”が並んでいる。いや、成功はそもそも幻想だったかもしれない。 「もうダメかもしれない」と思う瞬間は…

「センスが悪い判断を防ぐ方法」

「なんでこんな判断を…?」と思わず頭を抱えるような“センスの悪い”選択に出くわしたことはありませんか? デザイン、設計、プレゼン内容、配置や命名…理由がうまく説明できなくても、「なんかズレてる」と感じるあの違和感。 では、なぜ人は“センスの悪い判…

「喧(やかま)しい退職」

最近、「静かな退職」なる働き方が話題だそうで。 要するに、燃え尽きたふりして最低限しか働かない、いわば”退職プレイ”である。 で、私はと言えば、職場でちょっとした逆パターンに遭遇した。 名付けて「喧(やかま)しい退職」。 彼は辞表を出したその日…

「良い質問」という言い草

「良い質問ですね」 というおなじみのセリフがある。 これは会見でも講演でも、小学校の授業参観でも、ほとんどの場合で使われる。 で、聞くたびに、私は思う。 ほんとうに「良い質問」だったのか? と。 このセリフは、実際のところ、回答者が場を和ませる…

二刀流という幻想

「二刀流」と聞いて、頭に浮かぶのが宮本武蔵か大谷翔平かで、だいたいその人の世代と世界観がわかる。 昭和の人間にとっては、二刀流というのは孤高の剣豪が、クライマックスで突然両手に刀を握って構える“奥の手”的なアレだった。 ところが令和の若者にと…

エンジニアの定義

今朝の続きです。 AppleTVでFor all mankindのseries4を見て感化されました。真のエンジニアとはどう言うことなのか。 エンジニアという存在は、一枚の定義ではとても描ききれません。いくつかの言い方、定義、比喩でまとめます。 ■ 正面からの定義 問題に出…

エンジニアとは、問題に直面した時に夢中で解決策を考える人のこと。

エンジニアは、問題に直面すると目が覚める。 夜中だろうが休日だろうが関係ない。 なぜ動かないのか理由を知りたい。ただそれだけで、直面した問題に吸い込まれていく。 「働き方改革?」 「ライフワークバランス?」 聞いたことはある。けれど今それどころ…