エンジニアのセンスとスピード感を磨く方法

大切なのはセンスとスピード感、若手エンジニアに役立つチップス

2026-01-01から1ヶ月間の記事一覧

寓話: セイロン山の午後 ふたたび

続編 セイロン部長は、今日も正論を放ち続けていた 「この数字の根拠は? 感覚で仕事するな」 「これはA案じゃなくて、C案の劣化コピーだ」 「議論する前に、まずデータを出せ」 正しい。何も間違っていない。 けれど、その正しさがあまりに過ぎるせいで、部…

寓話: セイロン山の午後

続編。 むかしむかし、ある会社に「セイロン部長」という男がいました。 彼の行動原理は一つだけ、正論。そしてその正論は、常にパワハラという形で部下に降り注ぎました。 「それ、論理的に破綻してるよね?」 「やる気がないなら辞めれば?」 「感情を仕事…

寓話: 正論の山に咲いた小さな花

むかしむかし、あるところに「カンペキ山」という巨大な山がありました。この山の主は「セイロン部長」といい、何にでも完璧な答えを持っていて、常に正しいことを言うので有名でした。 「納期は守らねばならぬ!」 「資料には根拠が必要だ!」 「効率的であ…

「二度あるトラブルは三度ある」プラントはそう簡単に“正直”にはならない

日本には「二度あることは三度ある」と「三度目の正直」という、まるで正反対の意味を持つことわざがある。前者は悲観的、後者は楽観的。しかし、エンジニアリングの現場において、どちらが現実的かと聞かれれば、私は迷わずこう答える。「二度あることは三…

「知的ブルーカラー」

昨今、ビジネス界隈では一種の「逆転現象」が語られています。「AIの進化でホワイトカラーの仕事が消え、これからはブルーカラーの時代がやってくる」という論調です。確かに、事務処理や定型的なルーチンワークは生成AIやRPA(ロボットによる業務自動化)に…

「こだわりと、どうでもよさの境界線」

仕事をしていると、時おり“こだわり”の押し売りに出くわす。 たとえば、「報告書のタイトルは全角スペースで揃えてください」とか、「このチェックリスト、下から確認した方が効率がいいんです」とか、あるいは「エクセルの色分け、ブルー系じゃないと気持ち…

短篇SF:透明係長

「はい、やります」 課長に言われれば「はい」、部長に頼まれても「はい」、後輩の手伝いも「はいはい」。 どんな仕事も断らないことで有名な、係長のR。 資料作成、会議準備、掃除当番、果ては誰かの猫の世話まで、、全部「やってる最中」だった。 ただ、ど…

「やりたい」と「出来る」の境界

「設計」と「エンジニアリング」。 普段セットで使われる言葉ですが、この二つが向いている方向は、実は驚くほど正反対です。一言でいえば、設計は「やりたい」という意志を語る仕事であり、エンジニアリングは「出来る」という現実を突きつける仕事です。 1.…

始めることと止めること、どちらが大変か

始めるのが難しい。 いや、止めるほうが難しいか。と考えて、どちらでもなく「放っておく」のがいちばんたやすいことに気づく。 人はしばしば何かを始めたがる。日記、筋トレ、読書習慣。どれも「これをやれば人生が変わる」系のやつだ。だから始めるときは…

エンジニアリングにおける「優しさ」とは何か

この所、凄惨な事件や防げたはずの事故、そして世界的には想像を超えた事態が次々と起きています。物理法則に逆らえないエンジニアリングの世界と違い、人間の感情や政治が織りなす社会はあまりに混沌としています。その中で、あえて「エンジニアリングにお…

エンジニアの誇りを灯す、不屈の傑作選

エンジニア、特にプラントといった「巨大な動態システム」と対峙するプロフェッショナルにとって、映画やドラマは単なる娯楽ではありません。それは、設計思想のぶつかり合い、現場の矜持、そして計算された論理が不可能を突破する瞬間を追体験する「シミュ…

人生はプロジェクトではなく、O&M(維持管理)である

「人生には目的が必要だ」という言葉は、この世に少し溢れすぎている気がする。意識の高い啓発本から、会社の年度目標、あるいは酒場の説教に至るまで、私たちは「どこへ向かっているのか」という問いを常に突きつけられる。けれど、現場で油にまみれ、物理…

正論は、なぜ嫌われるのか

エンジニアリングの世界は論理で構成されている。ゆえに、私たちは「正しいこと」に絶対的な価値を置きがちだ。しかし、キャリアの中で嫌というほど見せつけられてきたのは、純度の高い正論が現場の士気を粉砕し、プロジェクトを硬直させるという皮肉な現実…

寓話: 『摩擦と油』

あるところに、あらゆる無駄を嫌う管理者がいました。彼は「摩擦こそがエネルギーの泥棒であり、諸悪の根源だ」と考え、工場のすべての機械に、摩擦をゼロにする究極の油を差しました。効果は劇的でした。機械から音と熱が消え、工場は氷の上を滑るような静…

「仕方ない、で片づけない」

「はじめてだったので仕方ありません」 先日、職場でのちょっとしたやり取りの中で、耳を疑うような言葉に出会った。 トラブルの原因を探っていたとき、ある人がこう言ったのだ。 「そんなこと起きてしまうのですか、、経験なかったから仕方ないですね」 ………

それしかできないから、やってるだけ

日本の総理は、外国の要人を迎えるとき、なぜか少し妙なことをする。 ドラムを叩く高市早苗。 プレスリーの真似の小泉純一郎。 ゴルフ場のバンカーで転がる安倍晋三。 一見すると「親しみを込めたおもてなし」。 でも、どうにも滑稽で、見ているこっちが赤面…

寓話: 「戦うか、待つか」

むかし、海辺の村に、一本の道が通っていた。 灯りも、薪も、食べ物も、その道を通って運ばれてきた。 ある日、道が閉ざされた。 「このままでは死ぬ」 村人たちは騒いだ。 選べる道は、ふたつ。 ひとつは、山を越え、力を持つ国に戦いを挑むこと。 だが、勝…

勝てないと知りながら、旗を上げるということ

太平洋戦争の開戦をめぐる話の中で、山本五十六という人物の心中について、いまも語り継がれているエピソードがある。 彼はアメリカの国力を誰よりもよく知っていた。海軍武官としてワシントンに駐在していた経験があり、向こうの工業力と経済力が、時間をか…

「素人の文を丁寧に読んでくれる人はいない」

この残酷な事実は、ブログの出発点です。 読まれる「最適な長さ」は、書き手の立場で決まります。有名人のコラムなら、長くても歓迎されます。読者はその人の思考や熱量を味わいたいからです。長文はむしろファンへの「サービス」になります。対して、無名の…

二項対立の哲学

私たちは日々、無意識のうちに世界を二つの対極な言葉で切り分けている。「目的と手段」「需要と供給」「メリットとデメリット」。これらは決して独立した単語ではなく、互いに引っ張り合い、影響し合うことで、私たちの現実という一つの形を織りなしている…

「なぜあの人が選ばれるのか問題」

「なんでこの人が?」 そう思ったことが、職場にいて一度もないという人がいたら、たぶんその人自身が「あの人」なのだと思う。 いや、悪口じゃない。 ただ、人事の不思議というのは、日常の中でふと顔を出す。たとえば、部長の直属にいるあの課長。最初やる…

他人事リーダー考

世の中には、「私はリーダーです」と名乗っておきながら、問題が起きるとまるで通りすがりのような顔でやり過ごす人がいる。 そう、他人事(ひとごと)リーダーである。会議では先頭に座って威厳を醸し、 決裁ラインにはサインをするくせに、 何か不都合が起…

短篇SF「オルビス計画」

建設予定地に残されたのは、基礎のコンクリートと風に鳴る仮囲いの音だけだった。 あの巨大な塔がそびえるはずだった場所は、雑草に覆われ、沈黙している。 責任者のRは、敷地の端で立ち尽くしていた。 何もない空間を見つめていても、何も戻ってはこない。 …

やってるフリの文章術入門

「進めております」の裏側で止まっているもの 仕事が進んでいないとき、「止まってます」と正直に言える人は少ない。だからこそ、「進めております」が輝く。実態はなくとも、進んでいる“意志”だけは示せる、極めて低コストな意思表示だ。 さらに、「〜の方…

エンジニアリングでのものの言い方に気をつけよう TIPS

設計より先に口で事故る人たちへ贈る。 エンジニアリングの世界では、 「言い方はどうでもいい。中身が大事だ」 という主張が、定期的に観測される。 だいたいこの発言をする人は、 ・トラブル会議で真っ先に空気を悪くし ・メールで無駄に敵を増やし ・最後…

効率と性能の、あいだで酔う

私は、酒が飲めない。 いや、正確に言えば、「体質的に分解出来ず、すぐに酔って気持ちが悪くなってしまう」タイプである。コップ半分のビールで、顔は真っ赤になり、思考はふわつき、学生時代部活でジャッキ一杯飲まされ、帰りに駅で吐いてしまう状態であっ…

「ハラスメントと呼ばれる前の、いつもの光景」

ハラスメントの種類を挙げ始めると、少しうんざりする。セクハラ、パワハラ、モラハラ、そして最近はフキハラ。不機嫌に振る舞うだけで新しい名称が付くのだから、日本語の造語力は相変わらず旺盛だ。ただし、名前が増えたからといって問題が整理されたかと…

無理なプロジェクトを無理でなくする方法

そして本当に無理なものをどう畳むか 「無理なプロジェクトだ」と言われる案件は山ほどある。だが冷静に見ると、その多くは本当に無理なのではない。ただ、無理に“見える形”のまま放置されているだけだ。整理されていない不安、誰も切らない前提、口に出され…

寓話:「立派な計画」

「こんな立派な計画書、見たことないよ!」 提出当時、政府の担当者は満面の笑みでそう言った。 月面基地を10年で建設、予算は最小限、安全性は完璧。書類の上では夢のような計画だった。 現実は、違った。 資材輸送だけで予算の半分が消え、月の地盤は想定…

注意の集中と盲点について

人間の注意は有限である。 ひとつの異常に目を凝らせば、別の変化は視界から滑り落ちる。 これは神経の節約行為であり、同時に、判断の誤差を生む構造的欠陥でもある。 プラントの現場では、この“見落とし”が致命傷になる。 ある部品の信頼性に気を取られ過…