2026-02-01から1ヶ月間の記事一覧
会議室や打ち合わせの場で、良かれと思って放った分析が場を凍りつかせ、なぜか「冷淡な評論家」というレッテルを貼られてしまう。この現象には、ロジックの正誤以前に、言葉の「手触り」の問題が潜んでいる。 安全圏という名の「卑怯」なぜあなたの言葉は「…
「石の上にも三年」という言葉。かつては、どんなに辛くても耐え抜くことが美徳とされてきました。でも、もしその「石」がトゲだらけだったり、凍りつくほど冷たかったりしたらどうでしょう。それでも座り続けなければならないのでしょうか。現代において、…
「即レス・即やる」を信条にすると、どうしても判断の拠り所が自分の「直感と経験」に偏ります。じっくり下調べをしたり、誰かの意見を仰ぐ余裕はない。だからこそ、この手法には特有の「毒」があることを忘れてはいけないと思うのです。私が肝に銘じている…
忘れる前に、終わらせる。短期記憶の衰えが生んだ「即やる」生存戦略正直に告白しよう。最近、私の短期記憶(ワーキングメモリ)は、目に見えてお粗末になってきた。情けない話だが、電子レンジで物を温めているわずかな間にその場を離れると、戻ってきた頃…
王が塔とともに消えたあと、王子が玉座を継ぎました。王子は父の最期をよく覚えていました。 「出来ない」と言わせなかったせいで、塔は崩れた。 そこで王子は即位の挨拶でこう言いました。 「これからは、出来ないことは出来ないと言いなさい。 そして、ど…
前回の続き。 プロジェクトという過酷な戦場で、人間的な魅力を「交渉の武器」として使いこなすには、単なる愛想を超えた戦略的な思考が必要です。海千山千の交渉者が揃うEPCの世界で、相手の心を動かし、自社に有利な合意を引き出すための深層心理と振る舞…
初心者のためのEPC入門 プロジェクトという冷徹な論理の世界において、人間的な魅力は単なる添え物ではなく、成功を加速させる強力な触媒です。巨大な設備やプラントを扱う現場では、どれほど緻密に計画を立てても、技術や金銭の理屈だけでは突破できない壁…
初心者のためのEPC入門 プロジェクトの現場に初めて配属されると、多くの人は、良い設計をして良いものを作ればプロジェクトは成功する、と考えがちです。もちろん、ものづくりの根幹を支える技術力は欠かせません。しかし、プラント建設や大型設備の開発と…
むかしむかし、ある国に「出来ない」と言うことを固く禁じた王様がいました。 王様の口ぐせはこうでした。 「やれば出来る。出来ないのは、やらないからだ。」 家来が「今年は日照りで作物が育ちません」と言えば、 王様は「気合が足りぬ」と怒鳴りました。 …
SFの『SILO』では、人々は巨大な筒の中で暮らしていました。 上の階層と下の階層は、物理的には一本のらせん階段でつながっているのに、心理的にはずいぶん遠い。 会社のサイロ化という言葉を聞くたびに、私はあの光景を思い出します。 営業は上層、開発は中…
前回、即レスの“使い分け”を説きました。しかし今回は、あえて極論を言いましょう。それでも即レスしろ、と。 現代の仕事は、一人で完結するものではありません。複数人の専門性が絡み合い、分業によって一つの成果物が出来上がる。設計、分析、営業、法務、…
「敵の敵は味方か? 裏の裏は表か? 友達の友達は友達か? 部下の部下は部下か?」 どれも一度は聞いたことのある問いだ。 たとえば「敵の敵は味方」。確かに共通のライバルがいれば、人は簡単に手を組む。企業同士の提携も、国と国の接近も、背景にはたいて…
世界はなぜ悪いことばかり起きるのか。本当にそうなのか。エンジニアの目線で見ると、この問いは「巨大システムに故障が発生するのは異常か」という問いに置き換えられる。 プラント設備でも発電所でも、ポンプは摩耗し、バルブは劣化し、センサーは壊れる。…
「仕事ができる人は即レスだ」ビジネスの世界でなかば常識のように語られるこの言葉が、本当にそうなのか考えて見ます。 なぜなら、私たちは機械を相手に仕事をしているのではないからです。画面の向こうには、期待や不安、プライドといった「感情」を持った…
「鼻につく」という言葉は、便利な曖昧さを持っている。正面切って非難するほどではないが、どうにもこうにも、鼻の奥に引っかかる。香水というよりは、消し忘れた芳香剤の残り香に近い。逃げ場がないのだ。 なかでも厄介なのは、話し方がやたら丁寧な人であ…
「新入社員を育てる」という営みと、「AIを学習させる」というプロセスを並べてみると、そこには驚くほどの相似形が浮かび上がります。どちらも、最初は真っ白な状態から始まり、外部からの入力(データ)によってその骨格が形成されていくからです。AIの世…
昔、ISOの分科会に業界の代表のメンバーとして参加したことがあります。その時に会議のリーダーでありヨーロッパからの人が、ローカルルールは効率が悪いから統一しないといけないと力説していたのをよく覚えている。 この意味が最近わかってきた。かなりの…
論理と信頼で成り立つはずのビジネスの場で、大人が口にすると一気に周囲を脱力させる「小学生並みのセリフ」がある。これらに共通するのは、プロとしての「議論の放棄」と「責任の転嫁」だ。現代のオフィスに潜む、精神的退行を感じさせる禁句を考えてみる。…
かつて、日本人は「検討します」と言って、相手に希望の種だけを渡す民族だ、と海外から揶揄されたことがある。悪気はない。たぶん本当に検討はしている。ただ、その検討が芽を出すかどうかは、判子を集められるかだ。 ビジネスの現場なら、それも処世術だろ…
むかしむかし、巨大なサーカス小屋のような国がありました。そこでは年に一度、「国のかじ取り役」を選ぶお祭りが開かれます。町の人々はそれを“選挙”と呼んでいました。 ところが、ある年から様子が変わりました。 若者たちは言いました。 「どうせなら、推…
乱暴だが、現場ではだいたいこれくらいの語気でちょうどいい。プラント建設の仕事場に届くのは、励ましより人手、共感より予算だ。タワーは気持ちでは立たないし、配管は拍手ではつながらない。 大企業では、年功序列が経験や能力とおおむね比例しているなら…
SFは未来の技術を描く文学だ、と言われる。だが本質はそこだけではない。SFとは、まだ起きていない出来事を思考の中で先取りする装置である。宇宙船や人工知能が登場しても、物語の中心にあるのは常に問題だ。予想外の事態が起き、登場人物は限られた情報の…
エンジニアのYさんは、何にでも「YES」と言う男でした。上司の無茶振りも、無謀な納期も、仕様不明の依頼も、すべて笑顔で引き受けます。しかし、その「YES」の正体は、誠実さではなく「思考停止」でした。 4つの「無責任なYES」* その場しのぎ: 怒られたく…
あの国の男は、ついに一つの境地に辿り着いた。 それは、「感謝は存在しない」という事実を、完全に受け入れることだった。 最初は寂しかった。 やがて怒りになった。 そして、ある時ふと気づいたのだ。 「ああ、これは最初から設計ミスだったんだ」 感謝と…
日曜の選挙結果が、僕にとってあまりにもショックで、不安と心配と哀しみが一気に押し寄せた。 こんなふうに心が塞いだのは、たぶん10年ぶりだ。 ニュースを見るのもつらく、ふざけるなと呟いてしまう。 不安と心配は、よく似ている。 不安は、漠然とした未…
知り合いの愚痴を寓話にしてとのリクエストに応えて。 その国では、感謝は発行停止されていた。 理由は簡単だ。 「言わなくても分かるだろう」という法律が、ずっと昔に成立していたからだ。 ある週末、国の管理者である妻が体調を崩した。 代わりに夫がすべ…
余計な事を言わない方法、というのは、じつは「言わないこと」をどうするか、というより、「言いたくなる自分」と、どう付き合うかの話なんですよね。 言葉というのは、たいてい「言ってしまったあと」で気づくんです。 「今のは余計だったな」とか、「あの…
高市早苗の発言が中国に対して危険な口実を与えてしまった。口実ってなんなのか改めて考えてみた。政治の文脈において、「口実」はしばしば他者の領域へ踏み込むための「火種」や、現状をひっくり返すための「大義名分」として機能します。 しかし、我々が身…
昔々、山奥の小さな村に、一匹のヤギがいました。その国では、ワシの王が長年にわたって権力を握っていました。ワシは声が大きく、自分の言うことに逆らう者には爪を立て、空から見下ろして脅しました。 ヤギは笛を吹くのが得意で、「この国にはもっと優しい…
昔々、まっすぐ森というところに、正論ウサギが住んでいました。 ウサギは、筋が通ったこと、誰にとっても公平な考え方を大切にし、それを堂々と口にする動物でした。 しかし、森のみんなからは「ちょっと固すぎる」と思われていました。 ある日、森の広場で…