エンジニアのセンスとスピード感を磨く方法

大切なのはセンスとスピード感、若手エンジニアに役立つチップス

準備は「相手のため」にする話

スタートアップの職場なので、さまざまな背景を持った人たちが集まっています。そのため、勉強会として、各自が自分の専門分野をプレゼン形式で順番に共有する場を設けています。テーマはあくまで「今の仕事に役立つ内容」としており、実践的な学びを目的としています。とはいえ、完全に各自に任せると内容に不安がある場合もあるため、事務局として事前にプレゼン内容を確認し、必要に応じてコメントをしています。どんな感じで事前にコメントしているか、まとめてみました。

 

プレゼンやスピーチの準備で、一番やりがちなのは「自分の言いたいこと」を軸に考えることだ。頭の中ではスムーズに流れているし、「これを伝えたい!」という熱意もある。でも、ここにひとつ落とし穴がある。相手は、あなたの言いたいことを聞きたいとは限らないのだ。

だからこそ、準備ではまず「相手が聞きたいこと」を中心に据えるべきだ。これは簡単なようで難しい。他人の頭の中を完全に覗くことはできないからだ。だから、慣れていない人は、事前に誰かに見てもらうことを習慣にするといい。「何がわかりにくい?」「どこをもっと詳しく聞きたい?」とフィードバックをもらえば、自分のプレゼンがどう見えているかがわかる。

一方で、慣れている人には時間の限り脳内シミュレーションをすることをおすすめしたい。実際に声に出して話しながら「この説明で納得するだろうか」「相手にとってこれは本当に必要な情報か?」と問いかけてみる。慣れているからこそ、自分の経験則に甘えることなく、相手視点での推敲を重ねることが大事だ。

そして、最終的に考えるべきは、自分の言いたいことと相手が聞きたいことのバランスだ。理想は、自分が伝えたいと思う熱量を、相手が「聞きたかった」と感じる内容にうまく翻訳すること。そのために必要なのは、「自分が伝えたい内容を整理すること」と同時に、「相手が何を求めているかを想像すること」だ。

準備とは、ただ言葉を並べる作業ではない。「自分の言葉を、相手の耳に届く形にする」という職人的な工程だ。その土台に、「他人が聞きたいこと」がある以上、準備をする姿勢はいつも相手に向けて開いていなければならない。最後に一つ。プレゼンは、相手の時間を預かる行為だ。その責任感をもって準備すれば、内容はおのずと洗練されていくはずだ。