あるところに、一匹のカエルがいた。井戸の底で暮らしていたが、ある日、ふと「もっと広い世界を見てみたい」と思い立った。井戸の中ではそれなりに快適だったが、どうやら世間では「挑戦する者こそが偉い」という噂を耳にしたのだ。
「よし、オレも飛び出そう!」
カエルは意気揚々と飛び上がった。しかし、井戸の縁には届かない。何度も試したが、やはりジャンプ力が足りない。通りがかったウサギが言った。
「そんな無駄なこと、やめたらどうだい? 君には無理だよ」
だがカエルは耳を貸さない。
「挑戦することが大事なんだ! 成長するためにはリスクを取らなきゃ!」
そこへフクロウがやってきた。頭の良いフクロウは、冷静に状況を見て言った。
「挑戦は結構だが、君の足の筋力では無理だよ。それに、井戸の外に出たところで、乾いた地面じゃ生きられないんじゃないか?」
「そんなこと言ってたら、何も始まらないだろ!」とカエルは反論する。
「でも、準備もせずに飛び出したら、始まるどころか終わりだよ」とフクロウは諭した。
結局カエルは「オレの情熱を理解しない奴らが悪い」とブツブツ言いながら、さらに何度も飛び跳ねた。しかし、体力が尽きて、井戸の底でぐったりと座り込む。やがて井戸の中で朽ち果てた。