むかしむかし、ある森で新しいリーダーを決めることになった。
立候補したのは三匹。
口のうまいキツネ、
いつも不機嫌なクマ、
そして少し頼りないロバだった。
最初にキツネが前に出た。
「私がリーダーになれば、森の木の実は三倍になります。しかも、みなさんは何もしなくていい。」
動物たちはざわついた。
リスが聞いた。
「どうやるんですか?」
キツネは笑った。
「細かい説明は難しいんですよ。でも安心してください。私は頭がいいので。」
動物たちの半分は感心し、
半分はよく分からなかったが、
「なんだかすごそうだ」と思った。
次にクマが出てきた。
「静かにしろ。」
広場は一瞬で凍りついた。
「この森がダメなのは、お前たちがだらけているからだ。俺の言うことを聞けば全部うまくいく。」
ウサギが小さく聞いた。
「でも、何をするんですか?」
クマは怒鳴った。
「口答えするな!」
動物たちは黙った。
怖かったからだ。
最後にロバが出てきた。
ロバは言った。
「正直に言います。ぼくはあまり頭がよくありません。」
動物たちは笑った。
ロバは続けた。
「でも、キツネの話はうますぎて怪しいし、クマの話は怖すぎます。」
「だから、みんなで考えませんか。」
そのとき、フクロウの長老が言った。
「この森で一番人気があるのは誰だと思う?」
動物たちはキツネを見た。
フクロウはため息をついた。
「だいたいの森では、キツネが勝つ。」
「なぜなら、
詐欺師は希望を売り、
クマは恐怖を売り、
ロバは現実を話すからだ。」
動物たちは少し考えたが、
結局、キツネに投票する者が一番多かった。
なぜなら、
現実より夢の方が気持ちいいからである。
数年後、森の木の実は増えなかった。
キツネだけが太っていた。
フクロウは静かに言った。
「詐欺師は悪い。
だが、詐欺師を勝たせる森はもっと悪い。」
教訓:
人はだまされるのではない。
だまされたがっているのである。