米倉誠一郎氏(一橋大学イノベーション研究センター 特任教授)の講演会を聴いて来ました。
講演会を目的に行って来た訳でなく、ある外資会社紹介的なフォーラムに参加し、その中で特別公演として米倉氏が1時間の公演があったのです。テーマは当然イノベーション。外資に呼ばれての講演でしたが外資に負けないで日本がんばれって感じでとても元気をもらった。
少し紹介するとトヨタの水素自動車ミライは前近代的な発想で、それに比べてグーグルカーのような自動運転技術を柱にした車は事故になる率も格段に下がるので、車全体の強度を上げる必要もなく人間の周りだけ強くするようにして、小型軽量化できるし発想が違うと、トヨタを冗談のようにけなしていた。反対にトヨタの生産技術には関しては素晴らしいのにあれをビジネスモデルとして他の分野にビジネスとして広めることをしなかったことは残念がっていた。オープンイノベーションの考えだと思うが、技術の囲い込みで優位を保つケースもあるが。
他にはリニア新幹線で東京ー名古屋間を40分でつなぐために大金を使うことは辞めてくれと。完成した頃には日本の人口は減って来ているし、誰が名古屋に40分で行くのかと。そんな所に借金をして将来の人に払わせるなと。
トヨタとリニア新幹線の悪口を何時も言っているので名古屋に米倉氏は呼ばれないそうです。
未来に対しては何よりも教育が大切だと。今は塾に行って勉強してる子供と行っていない子供との成績の差が拡大しており、それが貧困が固定してしまう大きな問題になっていると。一方、ある政党が言っている教育の無償化では全然ダメだと、教育の質をあげないとダメだと。
日本の自殺率が高い原因についても言及されており、それは学校を出る時点で一生を決めるような決断をさせるようなことになっているのが問題で、日本の学生の就職先希望がとにかく大企業ばかりでアメリカの学生と考え方が違う。日本の学生はそのまま一生勤めるつもりで選ぶからそうなってしまうのだと。その辺の考え方とシステムを変えないとダメだと言われてました。
米倉氏は時々テレビで話しているの聞いていたので知っていたが、トヨタやJRの悪口まではテレビではなかなかやれていない。
講演会をライブで1時間聴くこととテレビで当たり障りの無い短い話を聴くのでは随分違います。本音の話を聴くにはライブに出かけないとダメだと今日は強く感じました。
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