コミュニケーション
組織の中に身を置いていると、「あの人は扱いが難しい」と評される人物に必ず出会います。自分のスタイルを崩さず、時に周囲の意見に真っ向から異を唱えるようなタイプです。しかし、その人物は単に組織の歯車として収まりが悪いだけの「扱いにくい人」なの…
世の中を眺めていて、ふと立ち止まる瞬間がある。なぜ、この人はこれほどまでに「失礼」なのだろうか、と。誤解のないようにあらかじめ断っておくが、これは鏡を見ながらの反省文ではない。幸いにして、私は「失礼な人間」の側に属してはいないという自負が…
最近、どこを見ても「カスタマーハラスメント」の話題ばかりだ。かつて一世を風靡した「お客様は神様です」なんて言葉は、今や絶滅危惧種か、あるいは悪しき時代の遺物のように扱われている。だが、この風潮を真に受けて「これからは客に毅然と対応していい…
これまで「話しやすい人」の得ばかりを考えてきたが、ふと逆を考えてみる。いつもしかめ面で「話しにくい人」に、あえてメリットはあるのだろうか。そもそも「話しにくい」には二通りある。一つは、面倒くさくて嫌なやつだから周りが話したくないケース。も…
誰しも人生のどこかで、「なぜあの時、落ちてしまったのか」「なぜ失敗したのか」と頭を抱えたシチュエーションの経験があるかと思います。しかし、実はその真逆にある状況——つまり「まず落ちることはない」という圧倒的優位な面接こそ、最も足元をすくわれ…
「これ、適当にまとめといて」 上司からそう指示されたものの、肝心の目的や背景がさっぱり見えない。そんな経験はないだろうか。不審に思って詳しく聞いてみると、実は指示を出した上司本人すら「上がやれって言うから」と、その意味を全く理解していなかっ…
前編で「見た目や環境」という器を整えたら、次はいよいよその中に入れる「話の中身(コンテンツ)」のアップデートです。対面よりも相手の集中力が途切れやすく、空気感が伝わりにくいWeb面接。だからこそ、話す内容の「純度」と「ロジック」が合否を大きく…
オンライン面接は、対面以上に「第一印象」や「伝わり方」を自分でコントロールできる絶好のチャンスです。面接官の画面に「信頼できる優秀な人材」として映り、一歩リードするための5つの鉄則をまとめました。 1. 【目線】「カメラのレンズ」を面接官の瞳だ…
巷で「口が軽い」と評される人々は、本当に何も考えていないのだろうか。秘密を守る気がない不届き者か、あるいは単なる目立ちたがり屋なのか。だが、当事者の視点に立つと、景色はまったく違って見える。むしろ彼らは、脳内で高度な情報選別を行い、厳密な…
世間にはそんな、説明する側にのみ責任を課す甘ったれた言説がある。認知症の母親と話していると、記憶の衰え以上に物事の理解力の低下を痛感させられる。人の話を理解できないか、さもなくば都合よく勘違いするのだ。脳の劣化ゆえに仕方ないと割り切っては…
昔、外資系企業の営業担当者の名刺に「アカウントマネージャー」という肩書きが書かれているのをよく目にしました。現在でも使われる役職かわかりませんが、当時は「なぜ営業なのにアカウント(口座・計算)なのだろう?」と深くは考えていませんでした。ま…
以前、「即レス」の重要性について触れましたが、この「応答(レスポンス)」という行為は、プロジェクトにおける「責任(Responsibility)」の真意に直結しています。日本語の「責任」と英語の「Responsibility」は、辞書では同義語とされますが、語源から…
前回、感じをよくする五つの習慣を書いた。今回はその裏側だ。本人にその気はまったくない。むしろ普通にしているつもりだ。それでも相手には「感じ悪い」と映っている。そういう地雷が日常にはある。一、話を途中で引き取る相手が話しているのに「あ、それ…
どこにでも必ず一定数いる。「困った人たち」だ。話しかけられるたびにギクシャクし、やり取りするたびに不快感が残り、ろくな結果が出ない。そもそも最初から「どうでもいいこと」に絡んでくるのだから、実りある展開になるはずがない。彼らにとっては「絡…
この間、即レスについて偉そうに書いたが、実はその手前に欠かせないステップがある。それは「相手を解剖する」ことだ。単なるYes/Noの確認なら、迷わず即レスでいい。だが、交渉や込み入った案件なら話は別だ。相手はどう考えているのか。今の立場は。こち…
「会議の招集」という通知が届いた瞬間、現代のビジネスパーソンの多くは、それが抗えない「召集令状」であるかのように錯覚します。反射的にカレンダーの枠を埋め、定刻になれば魂を抜き取ったような顔で会議室(あるいは画面の前)に鎮座する。そこには、…
日常のなかで、本質とは関係のない「どうでもいい指摘」に直面することがあります。結果に1ミリも影響しない重箱の隅をつつくような言葉。そんな時、真面目な人ほど正面から向き合い、正論で議論を戦わせようとしてしまいますが、それは得策ではありません。…
「八方美人のつもりだったのか、それとも最初から八方塞がりに見えていたのか」。プロジェクトの現場で、全方位にいい顔をしようとして、結局どこにも行けなくなっているプロジェクトエンジニア(PE)を時折見かけます。本人としては「調整」や「配慮」のつ…
愛嬌がある人とは、単にいつもニコニコしている人ではない。相手に「自分を受け入れてくれている」という安心感を与えるパス(送球)の名手である。これを鍛えるには、以下の3つのポイントが鍵となる。 • 「反応」の解像度を上げる 愛嬌の正体は、相手へのリ…
「愛嬌」って、日本語だとどうしても「可愛がられる」とか「機嫌をとる」といった、少し受動的なイメージがありますよね。でも、英語の概念を借りて整理してみると、これが実は現代社会を生き抜くための、かなり攻めた「実力」だということが見えてきます。 …
ネットの記事で「優秀な人は即レスしない」という説を目にした。集中力が削がれるから、というのが主な理由らしい。だが、私はこれに強い違和感を覚える。そもそも、本当に深く集中している最中なら、通知など目に入らないし、メールを開くことさえしないは…
「不満を言うのはカッコ悪い」という風潮があります。飲み会で愚痴をこぼせば「意識が低い」と見なされ、SNSで毒を吐けば「否定から入る人」というラベルを貼られる。でも、不満をゼロにしようと無理に微笑むのは、果たして健全なことなのでしょうか。不満と…
認知症を患う母親と向き合うとき、あるいは職場のデスクで話の通じない相手を前にするとき、私たちの脳内にはある「犯人探し」が始まります。相手の理解力(頭)が足りないのか、自分の話し方(説明)が下手なのか、それとも物理的に聞こえていない(耳)の…
初心者のためのEPC入門 プロジェクトという冷徹な論理の世界において、人間的な魅力は単なる添え物ではなく、成功を加速させる強力な触媒です。巨大な設備やプラントを扱う現場では、どれほど緻密に計画を立てても、技術や金銭の理屈だけでは突破できない壁…
「敵の敵は味方か? 裏の裏は表か? 友達の友達は友達か? 部下の部下は部下か?」 どれも一度は聞いたことのある問いだ。 たとえば「敵の敵は味方」。確かに共通のライバルがいれば、人は簡単に手を組む。企業同士の提携も、国と国の接近も、背景にはたいて…
「仕事ができる人は即レスだ」ビジネスの世界でなかば常識のように語られるこの言葉が、本当にそうなのか考えて見ます。 なぜなら、私たちは機械を相手に仕事をしているのではないからです。画面の向こうには、期待や不安、プライドといった「感情」を持った…
論理と信頼で成り立つはずのビジネスの場で、大人が口にすると一気に周囲を脱力させる「小学生並みのセリフ」がある。これらに共通するのは、プロとしての「議論の放棄」と「責任の転嫁」だ。現代のオフィスに潜む、精神的退行を感じさせる禁句を考えてみる。…
あの国の男は、ついに一つの境地に辿り着いた。 それは、「感謝は存在しない」という事実を、完全に受け入れることだった。 最初は寂しかった。 やがて怒りになった。 そして、ある時ふと気づいたのだ。 「ああ、これは最初から設計ミスだったんだ」 感謝と…
余計な事を言わない方法、というのは、じつは「言わないこと」をどうするか、というより、「言いたくなる自分」と、どう付き合うかの話なんですよね。 言葉というのは、たいてい「言ってしまったあと」で気づくんです。 「今のは余計だったな」とか、「あの…
上司に悩んでいる知りあいからリクエストがあり、昨日「嫌われる上司」の類型について書きました。しかし、これを読んだ方の中には、別の恐怖に直面した人もいるかもしれません。「もしかして、自分もそう思われているのではないか?」という恐怖です。部下…