エンジニアのセンスとスピード感を磨く方法

大切なのはセンスとスピード感、若手エンジニアに役立つチップス

「具体的には?」

「具体的には?」と問われる瞬間は、どんな議論の場にも必ず訪れる。会議、雑談、あるいはちょっとした相談事。特に何かを説明する立場に立たされた時、この言葉は不意打ちのように投げかけられる。そして、この短い問いには、聞き手の多種多様な感情が込められている。

たとえば、「話が抽象的でピンとこない」といった素直な困惑。あるいは、「そもそも興味がないけれど、一応リアクションだけはしておく」という空虚なやりとりの免罪符としての利用。そして、ときには、「相手の主張を論破するための布石」として、この言葉が持ち出されることもある。

いずれにせよ、こちらの話が「曖昧」であることに起因している場合がほとんどだ。だからといって、すべてを親切丁寧に、具体的かつ簡潔に説明しようとすると、これがまた厄介なことになる。過剰に優しく噛み砕いて話せば、相手がわかったつもりになってしまい、本来の意図から逸れていくことがある。これはこれで、話し手としては悩ましい状況だ。

さらに、具体性を追求しすぎると、逆に話の幅が狭くなり、最初に目指していた大きな視座や概念が失われてしまう危険性もある。つまり、「具体的」でありながら、「曖昧」ではなく、なおかつ「誤解を生まない」というバランスが求められるのだ。これが難しい。

そんなわけで、今年の自分の行動指針を「具体的にする」と決めた。「具体的」とは、ここでは「あやふやでない」という意味である。要するに、自分の考えや行動が、相手に対しても、自分自身に対しても、できるだけ明確で誠実であるようにしようという話だ。


こう書くと当たり前のように思えるが、日々の生活の中では、私たちはついつい「まあ、そのうち」「今度ね」「適当にやっておく」という曖昧な表現に逃げがちだ。それが必ずしも悪いわけではない。ただ、その場しのぎの言葉が積み重なると、いつの間にか自分の意図や信念そのものがぼやけてしまう危険性があるのではないか。

もちろん、世の中にはあえて抽象的に語る必要がある場面もある。「含み」や「余韻」は時に、直接的な言葉よりも多くを伝える。だが、自分の行動や意図については、やはり具体的でありたいと思うのだ。それが、自分自身と他者との間の「齟齬」を少しでも減らすための、小さな誠実さだと思うからだ。

具体的であること。それは、あやふやな言葉や行動に頼らず、目の前の世界をきちんと切り取っていく作業である。

今年はそんな風に「具体的」になってみることにしたい。これはこれまでの自分の方針とは反対なのだが人生残り時間が減って来たこともあり気持ちが変わってきたかなが感想である。