エンジニアのセンスとスピード感を磨く方法

大切なのはセンスとスピード感、若手エンジニアに役立つチップス

ボーダーライン

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世の中、何事にもボーダーラインつまり境界線はある。

電車に乗ってこれを書いているが、隣に座っている中年女性と僕の間に線は見えなくとも、何かお互い気が合わない嫌な心の境界線がある。

ボーダーラインを皆が遵守していて、お互い少しの気遣いがあれば、混んでいようともそれ程苦痛な空間ではない。

 

ボーダーラインを超えてこられたり、急に取り除かれたりすると、人々は困惑する。

 

経済のボーダレス化や労働力提供としての移民は世界経済全体が成長している時は良いが、成長が停まると厄介物扱いにされる。全く都合が良い。

 

経済と移民の問題は専門でないので、

話題をエンジニアリングのボーダーラインについて考えてみる。

 

エンジニアリングは研究開発とは違い失敗は絶対に許されない。失敗しない為には実績の範囲内で設計をして行く。仮に失敗したとしても、実績の範囲内で失敗が起こってしまってもそれは想定外と言い訳が通り自己責任と言われない。

それでは実績はどの様に確認すればいいのだろうか。

ほぼ同じ装置が複数台、似た条件下で二年間以上無事に運転されていれば、実績として合格と言える。

実績評価の方法として例を挙げる。横軸に流量、縦軸に動力にして実績をプロットして、プロットの上限を実績として認められるとしてボーダーラインをひく。そこに新しい装置の条件をマークする。それがボーダーラインをはるかに超えていれば明らかにダメ。難しい判断はボーダーライン上の場合。その場合は構成要素に分けて部品単位でクリティカルな箇所は何か考えて判断していく。最終判断にはもっとかんがえる必要がある。

 

大型プラントで使われる装置は全く同じ条件は少ない。大型化、圧力、温度、原料、ユーティリティ等々毎回ちがうのである。実績があるかの判断は慎重でなければならない。

 

ほぼ同じ装置であるとどの様に判断するのであろうか。

似た条件下とはどこまで似ていれば良いのだろうか。

既に二年間動いていると言うことであるが、実際にはトラブル続発でちゃんと動いてはいない可能性はないか。

 

完璧な実績が装置が見つからない場合、実績と言うボーダーラインを超える必要が出てくる。

ボーダーラインを超えることの判断は一個人やチームだけでなく、顧客を含めた全員のコンセンサスが必要。

 

ボーダーラインを超えて選ばれた装置は、普段より多くの設計検証や検査を行う。可能であれば工場での試運転を実際の使用条件に近くして行う。

 

ボーダーラインの内側で生きていれば安泰。そんなに色々心配せずにいつも同じやり方で問題はそうは起きない。

でもどうしても超えなければいけない時もある。また相手がボーダーラインを超えて襲いかかってくることもある。

 

設計も生活もボーダーラインを意識していると、どこが大切かどこが勝負どころか、メリハリがつけられるようになってくる。

そして、どこが超えてはいけないボーダーラインかも見えてくる。