会社の部署でテーマを決めて勉強会をしています。勉強会と言ってテーマに詳しい人やテーマに関係ある人が、講演をして、その場で参加者と質疑応答をする形式です。
今回のテーマは、ある大規模プロジェクトが何故思惑通りにうまく進んでいないのか。
大規模プロジェクトの成否は、契約で8割型決まってしまっていると言われています。
どんなに頑張っても、酷な契約条件では挽回はほぼ不可能で更なる損失をいかに抑えるが精一杯。反対に契約条件が有利であれば、余り仕事できない人に担当させてもそれほど問題は起こらずに終わる。
世界的に物価高が止まらずに、人手も足りなくなって来ているので、大規模プロジェクトはリスクが大きすぎる。一企業が簡単に潰れてしまうほど怖すぎる。大規模な故に関わる企業や人の数が多すぎて、複雑系なのです。どちらかというと技術的に複雑系というわけでなく、組織的で遂行的に複雑系です。
以下、妄想して見ました。
リスクをどのように減らすか、一度痛い目に合うと誰でも当然考えます。大規模プロジェクトの成否が契約で決まってしまうなら、契約で工夫しようと考えるでしょう。プロジェクトの中身は多岐に及ぶので、リスクがありそうな箇所は外してしまう。そこはやりません、他の会社でやってくださいと。
こうすればリスクは自分の所からは外せました。しかしリスク自体は消えていません。他の会社にリスクが移ったのです。他の会社はそのリスクを受けざるを得ないとしても受ける条件をつけるでしよう。なのでリスクは完全に自分の手から離れることはないのです。また他の会社はそのリスクを回避するためにまた別の会社に下請けにリスクごと回してしまうかもしれません。下請けはリスクに気が付かないかもしれません。リスクに気が付かなかったばかりに下請けは倒産してしまうかもしれません。そうなればリスクは元請けに戻ってくるでしょう。
リスク回避はリスクの存在自体を無くすなら良いのですが、リスクを他人に転化して自分のリスクを無くそうとするマインドは最終的に自分に損害が出なくても、他人に損害が出たら成功ではないだろうなと思います。
商売は右から左に流して、安く買って高く売るが基本。しかしものつくりでは右から左に流すような発想ではうまくいかない。たとえ流すとしても、最後まで自分で全部やり終えるとして考えて流さないと。よくわからなくて怖いから他人に渡してしまおうは、どうかなと。
複雑な大規模プロジェクトで何が一番大事なのか。
複雑であるが故に、因果関係が多く絡みあっています。うまくいかなった時の責任追及をおそれて責任回避の保身がベースになることがおおくなってしまいます。そのため自分に余裕を取るために、他人にスケジュールもコストも無理を押し付ける。気をつけて欲しいのは余裕は必要なのです。出来もしないで前向きにやりますと言われてと出来なかったら余計に迷惑を周りにかけるのです。余裕は必要ですからそれは入れて確実にやることです。
大規模複雑系プロジェクトはカオスです。
リスク回避で他人にリスク流すなら、思いやりを持って。ババ抜きのようなやり方では最後は自分がまた引くことになります。
とにかく複雑系はよくわからないので、思いやりを持ってやる。