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「OKですが、」の正体

感じが悪いメールというのは、別に悪口を書いているわけじゃない。言っていることは事実だし、文法的にも間違ってはいない。ただ、受け取ったこっちの胸のあたりに、なんとも言えない違和感がこびりつく。


典型的なのが、「OKですが、」というメールだ。


たとえば、「◯日の15時からで大丈夫ですか?」と送る。返ってくるのはこうだ。


「OKですが、その日は会議が立て込んでいるので、できれば早めに終われると助かります。」


……え? じゃあダメなの? それともOKなの? というか、こっちはあなたに頼み込んでいるわけじゃないのよ。ただ日程の確認をしてるだけなのに、なぜか「無理して受けてやってる」みたいな雰囲気を全面に押し出してくる。


「OKですが、」という言い回しには、何かしらの小言や条件を付けなければ自分の立場が危うくなる、という一種の被害妄想めいたものが含まれている。「OKです」と素直に言ったら自分が下に見られるのでは、とでも思っているのか。あるいは、「相手が調子に乗るのがイヤだ」という思いが、文面の小骨のように引っかかっている。


ちなみに、「OKですが、」の人は、別に断りたいわけじゃない。ちゃんと予定は空いている。むしろ、ちゃんと来る。でも、あらゆる合意の場において「こっちにも言いたいことはあるんだよ」というマークを残さずにはいられない。それは自己主張というより、自己防衛というか、ややこしい人間関係を自分でわざわざややこしくしているようなものだ。


メールというのは、言葉のやり取りであると同時に、空気の交換でもある。で、その空気にいつも「ひとくさりの曇り」が漂っている人がいる。彼らのメールは、天気で言えば「一応晴れだが、にわか雨の可能性あり。傘は持って行ってください」といった調子だ。


対して、「OKです。」というメールは、ただただ気持ちがいい。言葉に余計な装飾がない。立場を主張しない。天気で言えば快晴。たとえその後に多少の変更があっても、「あの人は感じよく応じてくれる」という印象が残る。


結局、感じが良い/悪いの差は、言葉の内容よりも、言葉をどう差し出すかの姿勢にある。「OKですが、」という人は、差し出した手のひらに棘がある。そして、その棘に毎回刺されるのは、こっちの指先なのだ。


今日のモットー:「言葉は優しく。態度はもっと優しく。」